【12.無力】


??「な〜るほど。音素振動数(フォニム)まで同じとはねぇ。これは完璧ですよ」

声が聞こえる。
ルー(俺、一体・・・そうだ、ライガを追いかけて、追い詰めたと思ったら、捕まってそれで)

ルークとアニスとイオンの三人は、ライガを追い屋上まで駆け上がり屋上へ出たとたん、怪鳥に捕まってしまった。

屋上には、イオンとアリエッタとライガいた。
ルークの横にはアニスがいたが、すぐに下へと落とされてしまった。

アニスを落とすと怪鳥はルークを掴んだまま、別の場所へ移動した。
遠くでティアの声が聞こえた気がした。

その先はよく覚えていない。


??「そんなことはどうでもいいよ。奴らがここに戻ってくる前に、情報を消さなきゃいけないんだからね。早くしてほしいね」
??「そんなにここの情報が大事なら、アッシュにこのコーラル城を使わせなければよかったんですよ」

??「あの馬鹿が無断で使ったんだ。あとで閣下にお仕置きしてもらわないとね。・・・・ほら、こっちの馬鹿もお目覚めみたいだよ」
ルークはゆっくりと上半身を起こし、軽く首を振った。

眼前には、緑色の光が一定の周期で見える。
??「いいですよ。もうこいつの同調フォンスロットは開きましたから、それでは私はこれで失礼しますよ、シンク。早くこの情報を解析したいのでね。ふふふふふ」

眼鏡を光らせ、宙に浮かぶ椅子に腰掛ける銀髪の男は、音を立てることなくその場を後にした。
シンクもこの場を去ろうと、ルークに背を向ける。

ルー「・・・おまえら一体・・・俺に何を・・・」
ルークの声に足をとめるシンク、振り返りはせず。

シン「答える義理はないね」

ガイ「ルーク!」
シンクの前にガイが飛び込んできた。

剣を抜き一太刀浴びせたが、シンクは素早く避ける。
しかし、胸元の服は裂け、顔に付けていた嘴のような仮面が取れてしまった。

服の切れ目から薄い円盤型が落ちた。
シン「しまった!」

シンクは円盤よりも咄嗟に、自分の顔をおさえる。
ガイ「おまえは・・・」

シン「ちっ」
舌打ちと同時に、シンクはガイに蹴りの一撃。

かろうじてガイが避けると、落ちた仮面をつけ直した。
再びガイとの距離をとるために後ろへ飛躍する、それは常人とは思えないほどの高い跳躍だ。

二人は構えたが、アニス達が来たのに気付くと、シンクは身を翻した。
ガイ「待て!」

シン「いやだね。今回の件は正規の任務じゃないんだ。この手でお前らを殺せないのは残念だけど、アリエッタに任せるよ。やつは人質と一緒に屋上にいる。振り回されてご苦労様」
シンクはそう伝言を残して、去っていった。





【妖獣アリエッタ】

ルー「火吹けーーーぶたざる」

ぼおぉっ
ルークはミュウを前にかざすと、ミュウの口から炎が飛び出した。

ミュウが持っているソーサラーリングのおかげだ。
今更だが、このソーサラーリングのおかげで、ミュウは人語をしゃべれる。

ルー「へへっ、何度も同じ手に引っかかると思うなよ」
ジェ「ふむ、あなたにしては上出来ですね」

ルー「お前もいちいち、うるせーぞ」
怪鳥への襲撃を回避したルーク達は、ぞろぞろと屋上へあがっていく。

ルークは腰の剣に手をかけ、アリエッタのほうを向いた。
アリエッタの傍には、ライガとミュウの炎をくらった怪鳥がいる。

アリ「・・・・アリエッタのお友達に・・・火・・・吹いた。もう、許さないんだからぁ!」
ルー「うるせぇ!このクソガキ!」

ルークの怒鳴り声にアリエッタは怯まない。
いつも泣きそうな眉を吊り上げた。

アリ「いいもん!あなたたちを倒して・・・あの女の人は?どーして?どーしてあの女の人・・・・・・連れてこなかったの!?!」

ジェイドは眼鏡の位置を直し
ジェ「おやぁ?たしか要求ではルークとイオン様でしたよね。別にその人を連れて来いだなんて、あなたは一言も言っていませんよ」

アリエッタは眉を吊り上げたまま、目に涙を溜める。
アリ「いいもん!!あなたたちも倒して、イオン様をとり返して、あの人はその後で殺せばいいもん!ママの仇!ここで死んじゃえーっ!!お友達!あいつら殺しちゃって!!!」

ライガと怪鳥が荒々しい咆哮をあげた。





【ヴァン登場】

ライガとアリエッタとの攻防戦の結果、ルーク達は勝った。

ジェイドの目の前には、アリエッタが倒れている。
ジェイドは矛先をアリエッタの胸の上めがけて突き下ろし

イオ「待ってください!」
イオンがアリエッタと矛先の間に割り込んだ。

ジェイドは矛先をピタリと止めるが、引き下げはしなかった。
瞳は冷ややかに、艶やかな赤が輝いているのは殺気を帯びているせいだろうか。

ジェ「・・イオン様。フーブラス川で見逃した、結果がこれなのですよ?同じ過ちを繰り返そうというのですか?」
ジェ(ただでさえ、甘いと私が言われたというのに)

ジェイドの脳裏に浮かぶはのあの瞳、口にはださなかったが確実に目で語っていた。
あの時、紫がかった奥にある縦長の闇が自分を見下していた。

イオ「アリエッタは教団に連れ帰り、査問会にかけます!ですから、ここで命を絶つのは」
??「それがよろしいでしょう」

後ろから重々しく厳格な声が聞こえた。
ルークは体を強張らせ、冷や汗をかいた。

ルー「せ、師匠(せんせい)・・・・・・」
ヴァンは大剣の柄を手に置いたまま、ルーク達を一人一人見やった。

最後にジェイドと目が合うが、すぐにイオンへと向き直る。
ヴァ「カイツールから導師到着の伝令が来ぬから、もしやと思い来てみれば・・・」

イオ「すみません・・・ヴァン」
イオンは俯き、眉尻を下げた。

とても最高権力をもつ人のようには見えない。
ヴァンは長い溜息を吐くと

ヴァ「・・・まぁ、いいでしょう。過ぎたことをあれこれ言うつもりはありません。アリエッタは私が拘禁したいと思いますが、よろしでしょうか?」

ヴァンは再びジェイドを見る。
イオンに質問しているが、事実はジェイドに聞いているといっていい。

ジェイドは掌にある槍を消す。
イオ「お願いします。傷の手当をしてあげてください」

イオンは心配そうにアリエッタ見る。
ヴァンは軽々とアリエッタを持ち上げる、それは壊れ物を扱うように丁寧に。

ジェ「査問会、ですか」
ガイ「《妖獣のアリエッタ》は、キムラスカ兵を殺し、船を破壊した。その罪、陛下や軍部にどう説明するつもりです?」

イオンのさきほどみせた弱々しい顔つきが消えた。
今はまっすぐと前を構える・・・導師のように。

イオ「・・・教団でしかるべき手順を踏んだあとで処罰し、報告書を提出します。それが・・・規律というものです」
ガイ「身内の処分に納得すると思いますか、導師?」

イオ「納得してもらいます」

迷いのない声だった。
めずらしく目つきに力が入っている。

ガイは軽く両肩を上げる。いいとは、思っていないようだ。
ガイ(それで納得できれば・・・・まず、俺みたいな人間はいないだろうな)

ルークにとっては目の前のことより、ヴァンに自分の行いがどう思われているかで頭がいっぱいだった。
ヴァ「イオン様」

自分が呼ばれたわけでもないのに、ビクリと体が反応してしまう。
ヴァ「カイツールで、兵と馬車を借りました。整備隊長もこちらで連れ戻ります。イオン様はどうなさいますか?私としてはご同行をお願いしたいのですが」

イオンはルーク達を見た。正確にはルークを見ている。
自然と皆の目線もルークへと注がれた。






【ドックタグ】

ジェ「まさか貴方が歩くだなんて、言うとは思いませんでしたよ」

ルー「歩きたい気分だったんだよ。お前らだけでも馬車で帰ればよかっただろっ!」
嘘だった。

あのまま、ヴァン師匠(せんせい)と一緒にいることができなかった。
顔を見ることもできなかった。

ルークは、一時的と分かっていたが、逃げたのだ。
ガイ「おいおい、お前を置いていけるわけないだろう?」

ティ「そうね」
ガイと同じ意味で言ったわけでないことが、ルークは分かったが、言い返す気力はなかった。

カイツールに向かうので、足が重いし、頭も重いし、胸の辺りも重い。

アニ「ふふふ〜ん♪」
アニスはあのような事があったのに、上機嫌だ。

イオ「アニス。嬉しそうですね」
アニ「えっそうですかぁ?えへへっ、カイツールに着いたらに『あぁ、おかえり』 って言ってもらえるかなぁ、なんて思ってたんです」

アニスは「あぁ、おかえり」の部分はの声マネをした。
おそらく彼女ならそう言うであろう。

ルー「はっ?何でそれぐらいで喜ぶんだよ」
アニ「ルーク様ぁ、そんな風に言わないでくださいよ〜。なんか、帰ってきましたって気になりませんかぁ?」

アニスはルークの腕にしがみついた。
ガイ「ルークはそういうのなかったからな。まぁ、俺もルークの屋敷のメイド達に言われるくらいだけど、社交辞令って感じだしなぁ」

ティ「そうね。そういえば私も、小さい頃に言われた記憶しかないわ」
ルー「そんなにいいもんなのかぁ?さっぱり分かんねーなー」

ジェ「軟禁されていましたからねぇ。まぁ当然と言えば当然でしょう」
この軍人の言い方はどうも鼻持ちならない。

ルークは舌打ちをして、アニスを振り払った。
手を組み後頭部に押し当てて、空を見上げると、何か見えた。

煙?
この方向はカイツール軍港、まさかとルークは思った。

ルー「あれって・・・煙だよな?おっおい、火事じゃねーのか?!」

ルークは走り出した。
ジェ(いえ、あの煙は・・・)

イオ「待ってください。ルーク!あれは」
イオンが止めにはいる。

ピタリとルークは止まった。
イオンの言葉で止まったようには見えない、振り返りもせず前を見たまま止まっていた。

ジェイド達がルークに追いつくと、カイツール軍港の門を出た脇道に、人が立っていた。
背を向けて。

ティ「?」

の足元には、いくつか土の山が見える。
山の上に小さな焚き火があった、ルークが火事だと勘違いしたのはこの焚き火の煙だった。

ルー「あいつ、何やってんだよ」
イオ「死者を、弔っているんです」

イオンはルークを見ずに、目線を下へと落とす。
あのときの惨劇を思い出しているのだろうか。

あの煙を見ていると、やはりアリエッタの行いは査問会程度では、許されはしない。
と告げているようだった。

ルー「あんな焚き火でか?」
アニ「無事に天まで昇れるように・・・道、みたいなものです。ルーク様」

ティ「あなた、そんな事も知らないの」
ティアはルークを怪訝に見る。

ルー「うるせー。別に知らないからなんなんだよ」
ティアは溜息をついた、反論するだけ無駄だと思ったのだろう。

ティアはに目線を戻すと
ティ「!?、もしかして怪我を?!」

よく見るとの右腕から手先までが血で真っ赤に染まっている。
動かないはずの左手もだ。

黒い服を着ているため、目では判別しにくいが、服も血まみれだろう。

ティアがに近づき走り出そうとしたが
ジェ「いえ、本人のものではないでしょう」

ジェイドが止めた。

ガイ「あぁ、だろうな。それに、あの右手に持っているのは」
ジェ「えぇ、そうですね」

ジェイドは眼鏡の位置を直す。
ルー「おい、何二人だけで納得してんだよ」

ルークは、それだけで済まそうとするので、気にくわなかった。
確かにの右手には光に反射すると、キラキラ光るものがぶらさがっている。

ガイ「あっあぁ、悪かったなルーク。が持っているのは、そうだな。・・・本人、確認みたいなもんだ」
ルー「はぁ〜?」

それだけでは、ルークが理解するはずもない。
ガイは困ったように、ジェイドに目を向ける。

ジェイドはやれやれといったふうに、溜息をつき
ジェ「彼女が持っているのはドックタグとでも言っておきましょうか。我々、軍人が必ず身に着けているものです。仮に本人とも分からないような遺体になっても、誰が死んだか分かるようにファースト、ファミリーネーム、生誕日、音素(フォニム)振動数などが記されています」

ルークはやっと理解したのだろう。
ルー「・・・そーすっとあれって」

ジェ「えぇ、亡くなったキムラスカ兵のものでしょう。自分で取り外すこともできますが、音素(フォニム)振動数を感知できなくなったときに、自然と外れる仕組みにもなっていますからね」
イオンは苦しそうに目を伏せた。

ルーク達は再びを見る。
彼女は血だらけの右手を顔まであげ、軽く拭うとカイツール軍港へと入っていった。

アニ「今の・・・、もしかして」
ルー「げっ!何やってんだよ、あいつ。血だらけの手で、きったねーな」

ジッ

全員がルークを見たのは言うまでもない。
ジェ(おや?なぜ私が不快に思う必要があるのでしょう)






【無力】

(さすがに片腕だけでは厳しいものだ)
ルーク達がを見かける数十分前のこと。

は死体を穴へと入れた。
なるべく人の形を留めるように。

ただ全て、人として足りない部分がある、手や足、首から上、胴体全て、遺体によって様々である。
無残にバイラスによって殺されてしまったキムラスカ兵。

というより、食い散らかした後、といったほうが正しいかもしれない。
ルーク達が去った後、整備士たちに14人分の穴を掘らせ、その間には、死体を門前から一体ずつ並べていった。

本当なら穴掘りが終りしだい、一体ずつ入れていこうと思っていたが、彼らが元キムラスカ兵にむける目は、まるで人ではない、醜いものを見るような目だった。

そのことをは察知し、仕方なく掘り終わるまで待つことした。
彼らはに終わったことを告げると、さっさと船着場へと行ってしまった。

自分を守った人達、ということは毛頭にないのだろう。

(いつの時代も、軍人とは損なものだ)
は13体目の死体を埋め終わった。

残りは1体。
13体もの死体、といってもほとんどは無残にも原型を留めていないものばかりだったせいで、の右半分は血だらけと言っても過言ではなかった。

持ち上げると、ボトボトと音をたてて内臓が落ちてしまうのだ。
左手が動いたらもう少し楽だったかもしれない。

そんなことを思いながら、最後の死体を持ち上げようとしたとき
ザッ。

誰かがカイツール軍港の門をくぐった。
そこには、ピンクの髪をした少女を抱えた男。

見るや否やは、死体の鞘から剣を引き抜き、低く水平に飛び、少女めがけて

ギイイィインッッ

の剣先とアリエッタの間にヴァンの大剣が入る。

まだ剣は抜ききっていない。
は、一撃目の反動を利用して身を翻し、倉庫の側面を蹴ると再びアリエッタへと襲い掛かる。

剣を抜ききったヴァンが、アリエッタを抱えながら、の攻撃をうける。
ギギギギッギィィィィイッ

ヴァンは大剣を滑らせごと吹き飛ばす、大剣を滑らせたたときに青白い火花が飛び散った。

ずしゃぁぁぁ
は体勢を低くして地面を滑るように受身を取り、右手を地につけた。

通路にある血の海がすべりを増し、髪先も血の海へつかる。
は下からヴァンを睨みあげる。

「・・・・・・」
ヴァ「・・・・・・」

静寂。
先に口を開いたのはヴァンだった。

ヴァ「その状態で私に勝てると思っておいでか」
「頭では分かっているのだが、どうも私自身は、そういってはくれないものでな」

一歩も後を引かない状態だった。
??「双方、剣を納めよ!」

の背後から制裁の声が飛ぶ。
(この声は)

ヴァンはすぐさま剣を納めると、の横を通り過ぎ、声の主へとむかった。
は振り返り声の主を確認した。

??「剣を納めよ」
アルマンダイン伯爵、階級は大将。とても厳格で硬い声だった。

はしばらくアルマンダインを凝視し、目を伏せる。
「・・・・御意」

右手で握り締めていた剣を、死体の鞘へと納めた。
ヴァ「アルマンダイン伯爵、お話がございます」

ヴァンはアリエッタを抱えたまま、アルマンダインの前で膝をおり深々と頭をさげた。
アルマンダインは、今まで起きたことを整備士にでも聞いたのだろう、眉間に皺を寄せている。

アル「そのようですな」
ヴァンとアルマンダインは宿舎へと入っていった。

宿舎のドアが、ぱたりと音を立て閉まる。

ぎりっ

は、ヴァンが宿舎へ完全に入ったと確信すると、奥歯を強くかみ締めた。
右手に力が入り鋼でできた通路を強く叩く。

飛散する音だけが無残にも響くだけであった。
は眉間に皺を寄せ、目を閉ざす。

(復讐は何も生みだしはしない)
そう自分に何度も言い聞かせるが、歯痒さは消えようとはしなかった。

はゆっくりと引きずるように立ち上がり、最後の死体に手をかけ歩き出した。
(左腕が動かなかったことを、こんなにも後悔したのは、初めてだ)

最後の死体を埋め終えると、土の山の上にある木々に火をつけていった。

チャリ

キムラスカ兵から集めたドックタグが、足先にあたった。
はそれを拾い上げ、昇る煙を眺めた。

(私は、無力だな。お前達を殺めた者を目の前にして何もできないでいる。・・・私は・・・・・・無力だ)
目頭が熱い。

頬を伝うのは返り血か、それとも・・・。
はそれをぬぐうと、カイツール軍港へと入った。

(!)
目の前には、血の海だったはずの通路が消えている。

完全に消えた状態と言っていいだろう、血の匂いは潮で消える。
「あの・・・」

声に目線をやると整備隊長と整備士たちがいた。
「私達が、助けてくださった兵隊方を弔うはずが、・・・私の部下が・・・申し訳ございませんでした。今更ながら、お手伝いをいたしました」

一番目の前にいた整備隊長らしき人が言う。ルーク達は奪還に成功したことが分かった。
整備士達の手にはデッキブラシをあり、緑色の刷毛先は赤い。

は軽く目を伏せる。
「ご苦労であった。すまないが早速、船の修理にあたってほしい。・・いい隊長だ。大切にすることだな」

は整備士達を後にし、アルマンダインとヴァンが入っていった宿舎へと向かった。
扉を開けようとしたが。

キィッ

ヴァンによって開けられた、先ほど腕に抱えていたアリエッタがいない。

ヴァンはドアを開け、を確認すると、身を引いた。
「・・・・」

は宿舎へと入っていた。
ヴァンはが入ることを確認し、宿舎を出て行った。

扉が閉まり、宿舎の一番奥の席にはアルマンダインが腰掛けていた。

はその場を立ったまま、深々と頭を下げた
「お久しぶりでございます。・・・司令官」





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