【5.別行動】

(変な事を聞いてくる軍人だったな)
は先程、マルクトの軍人が出て行く時に言ったことを思い出した。

(ジェ『以前、お会いしたことがありませんか?』)

は無言のまま、眼を細めてジェイドの顔を見るが、全く記憶にない。
一体、この軍人は何を言っているのだろうか、そう思った。

(ジェ『いえ、おかしなことを聞いてしまいました。・・・すみません』)
そう言うと、緊急の用が入ったジェイドはをアニスにまかせ、指揮をしに出て行った。





そして、現在・・・。






アニ「やろーーー、てめーーー、ブッコローーーース!!!」



上空を落下している。


私の耳元を大声で叫ぶツインテールの少女。
空が青い。

ジェイドが去った後、アニスはの体に巻きつけられた余り縄を不気味な人形に結びつけると、ルーク達に艦内の案内をしていたが、突然の敵襲。

とイオンはアニスに連れられたが、ブリッジに出たとたんバイラスに襲われ、今に至る。
耳元ではまだアニスが罵声をはいているところだ。

しかし、このまま落下していくと二人ともかなりの重症を負ってしまう。
アニ「あんちくしょーーーーっっ!!このままで済むと思うなよ!ってそろそろマジヤバじゃん!?」


ぼこぉっ


突然アニスが背負っていた人形を前にだし、巨大化させた。
小さな手がの前にさし出されたが。

アニ「さん、掴まってって、繋がれたまんまだった。どーしようっあ”ーーーーっ、親書がー!!」
に手を伸ばしたせいで、親書が落ちた。

アニ「このままじゃ、親書もさんもオジャンだよ!!」
「・・親書が優先だな」

何か聞こえアニスが顔を上げると、胴と両手を縛られていたはずの縄が外れたは垂直に落ちていった。
風に吹き飛ばされ、見失う前に親書を確保するために。

ぱしっ

の左手が親書を手にしたが、目の前はすでに大地。


ガシャーーーーーン!!!


アニ「さん!!」
アニスは巨大化させた人形をクッションにし無事に着地をしたが、先に落ちたは重症だと思った。

「私なら問題はない、です」
砂塵が風に飛ばされの姿が見えた。

右手に親書を持ち立っていた。どこも傷はない。
「それよりも、親書を」

アニ「う、うん」
は親書をアニスの前に差し出す。


アニスは親書を受け取ると、今度は人形の中に入れた。
アニ(さっきのガシャーンって音、一体何?)

「アニスさん」
アニ「あっはいっ、アニスでいいですよ〜」

「そうですか。では、私も「さん」はなしで願います。アニス」
アニ(うわ、なんで名前呼ばれたくらいでドキドキしてるんだろ)

アニ「きゃわ〜ん。なんだかアニス、ドキドキしてます〜♪」
「そうですね。何しろ親書がなくなりそうだった、ですから」

アニ「そういう意味じゃないですよ〜。あっそうだ。例の場所にいかなきゃ」
アニスは《例に場所》というところへ向かう。

もアニスの隣を一緒に歩く。
着いた場所はセントビナー。








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